朝食を食べると頭が良くなるというウソ
一時期、PTAで話題になった「朝食を食べると頭が良くなる」という話です。
小学生を朝食の頻度で群分けし、成績の関連性を調べたところ
朝食を食べている頻度が高い方が成績も良いという相関関係が示されました。
(参考:平成21年度 全国学力・学習状況調査【小学校】報告書)
きれいな左上がりのグラフですね。
この国立教育政策研究所の結果をもとに「朝食を食べよう」という啓発活動につながったというわけです。
しかし結論から言うと「朝食を食べると頭が良くなる」という科学的根拠は
ありません。
相関関係は「互いに関係している」という話ですが、因果があるか示すにはもっと深い分析が必要です。(※重回帰分析等、本ブログでは割愛)
まずそもそも日本の小学生の実に88.5%が朝食を毎日食べる事が示されており、朝食を食べない子どもは非常に少数です。これを4つの群に分けてまるで対等であるように比較するのは適切とは言えません。
確かに朝食を食べる家庭の子どもの方が成績はいいでしょう。
でも逆に朝食を食べない子どもはどういう家庭環境なのか。
必要になるのは「想像力」です。その状況を具体的にイメージしてみます。
「親が仕事で忙しくほとんど家にいない家庭」
「朝ご飯を食べなくても叱らない家庭」
「子どもが放置されている家庭(ネグレクト)」
その家庭の子どもの気持ちになってみて下さい。
テストで高得点を取った時、親に見せて
「よくやったね〇〇ちゃん」と褒めてもらえる家庭
テストで高得点を取って「ママ(パパ)100点取ったよ」と言っても
親に見向きもされない家庭
「そう」とだけ返事され関心を示されない家庭
そもそも親が帰ってこない家庭
ごめんなさい、想像していたらブログを書いている私が苦しくなってきました。
つまり、子どものモチベーションが上がるでしょうかという話です。
本当の因果関係が見えて来ました。
子どもの成績について最も大事なのは親の関心(関与)なのです。
教育者がこの研究を受けてすべきなのは「朝食を食べることの推奨」ではなく
「朝食を食べない子どもへのケア」なのです。
親に悪意がなくただ単純に子どもへ関心を示すことの重要性を理解してないだけならば、教育者の関与で子どもを救えるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。